お知らせ|2021年01月24日
今の時代の20代と40代の転職に対する考え方の違い
長年キャリアコンサルタントをしていると、
時代の変化とともに、世代によっての価値観の違いをつくづく感じます。
コロナ禍の20代の方達は、
30代になる前に、今の自分のキャリアは?これからの生き方は?など
「自分の人生を自分で描いていく」という意識を強く感じます。
しかし、40代の方々は、
「40代になると転職って難しいですか?」と
スキルや経験よりも年齢のことから話が始まります。
では、どうしてそんなに違っているのかでしょうか?
1.20代の仕事への価値観
今の時代の20代が就職した時代は、「売り手市場」。
知名度や大手企業などの本人や親の拘りを緩和すれば、求職者より求人の方が多い状況でした。
また、最近20代の方とお話ししていて価値観の違いに驚かされたことがあります。
それは、転職経験がないとスキル不足と思われてしまうという考えです。1社しか知らないということは、経験として価値がない。複数の会社でいろんな経験をすることがスキルアップに繋がるという考えです。
この考えは、今の20代のキャリア意識高めな方々に共通した考えみたいです。最近のキャリアコーチングした方々に共通した意見でした。
時代はかわったなぁってつくづく感じています。終身雇用は終わったと言われていますが、終わったのではなく若い世代にとっては、終身雇用を望んでいると自分の価値が下がるような考えです。
大手企業に勤めることも終身雇用を求めているわけではなく、大手企業に勤めていたという信頼ブランドを得るためです。そのため、ある程度、スキルが身に付けば、大手企業ブランドを引き下げて、起業したり、転職するという考えです。
2.40代の仕事への価値観
今の時代の40代はと言えば、自分のスキルをどう活かしていきたいのかというよりも
40という年齢がどんな影響をもたらすのか?
転職してどういう仕事がしたいのか?ということは2の次で、一番の関心事は、この年齢でも転職は不利にならないのか? 希望する転職先があるのか?
何がしたいとか、こうなりたいではないのが残念です。
ということは、40代の方にとって「転職」ということは、スキルアップに繋がるという価値観ではないことがわかります。
転職は、自分の価値を上げるという考えであれば、もっと堂々と転職活動に望んでいくと思います。
しかし、40代での転職って難しいですか? 40代で転職できますか?という質問からは、転職を良しという考えはなさそうです。
同じ時代に働いているにも関わらす、どうしてそんなにも「転職」に対しての考えの違いがあるのでしょうか?
この違いには、時代背景が大きく関連していると思われます。
3.価値観の違いの原因
この価値観の違いは、新卒で会社に入った時期によるのではないかと思っています。
新社会人になるときに刷り込まれた日本型雇用と呼ばれる価値観が影響しているのではないか
と思われます。
今の40代が社会人になるときには、まだまだ日本型雇用と呼ばれるシステムでサラリーマンは守られていた時代の親たちに育てられていますから。
大手企業に入社して、定年まで勤めあげることが理想と言われた親世代に育てられた新社会人と、終身雇用の崩壊、自分のキャリアは自分で決めていくという時代の変化を子供ごころに見て社会人になった人との違いではないでしょうか?
生まれた頃には、転職サイトが存在し、転職に関する情報があふれている時代に社会人になった人達にとって、転職することは当たり前という意識が植えつけられているのは仕方がないのではないでしょうか?
そのため、まだまだ40代の人達にとって転職することは世間からどう見られているのかという点や転職するならば30代までという従来の転職年齢の賞味期限が根付いているために年齢ばかりが気になるのではないかと思っています。
しかし、どちらの世代の価値観にも30代は転職にとって重要なターニングポイントになることは共通しています。
まとめ
人生100年時代ともなれば、定年後も働くことや定年延長が当たり前です。
そんな中では、40代であれば今まで生きてきた時間よりもこれから働く時間の方が長くなってしまいます。
これからの時代の転職には、20代のうちにとか40代になってしまったからという年齢の概念ではなくなるのではないでしょうか?
もっと、
「何が出来るのか?」
「どんなことができるのか?」
「どんなスキルを活かして働きたいのか?」
という働く軸が重要で、年齢と転職賞味期限が比例しているという考えはなくなってしまうのではないでしょうか?