お知らせ|2021年02月15日
福利厚生を5分で説明すると。
福利厚生って何?
それぞれの言葉の意味とは?
「福利」とは、人々の生活環境における幸福と利益。
「厚生」とは、生活を健康な豊かなものにすること。
この2つの言葉が合わさって「福利厚生」です。
言葉の意味をそのまま繋げると、人々の幸福や利益で健康で豊かな生活をおくるという意味になります。
そのためには、福利厚生を行う事によって、社員が幸福で豊かな生活をおくるために必要なものだということです。
ということは、
この福利厚生が充実していれば、社員の離職を防ぎ、勤労意欲を向上させる効果が期待できるという事になります。終身雇用が終わりを迎え、転職による人材の流出が当たり前の時代になった現代では、優秀な人材を確保するためにも福利厚生の充実は非常に大切になってきています。
1.福利厚生の歴史
福利厚生の歴史は、明治時代初期に始まったとされています。
農村出身者に対して、食事援助や寄宿舎などの現物給付を慈恵的に行っていた生活援助が始まりだと言われています。
現在では、賃金・給与以外の形態で労働者に対して労働条件やその他配偶者・子女・家族に対してもより良い生活環境を送れるように企業が実施する諸施策のことを指しています。
企業福祉とも呼ばれ、賃金とは独立したものです。
2、福利厚生の目的
福利厚生を行う目的は、主に4つあります。
①従業員のモチベーションアップ
②離職防止
③従業員のエンゲージメントの向上
④企業のブラインドイメージアップ
企業が福利厚生を行うことにより、従業員のモチベーションアップをはかり、精神的にも経済的にも従業員の支援を行うことで離職を防ぎ、従業員のロイヤリティを上げることを目的としています。
3、福利厚生の種類
福利厚生には、実は2種類あります。
法定福利厚生と法定外福利厚生です。
法定福利厚生とは、法律に基づいて定められています。
法定外福利厚生とは、法律に定められているものとは違い、企業独自で任意に定められたものです。
また、法廷外福利厚生については、自社内で提供するものと、外部にアウトソーシングして提供するものと大きく2つにわかれています。
4、福利厚生費の定義
最後に福利厚生費の定義を少しお話しします。
福利厚生費は、会計の勘定項目の1つではあります。しかし、福利厚生費として計上するためには、全社員が利用することが出来て、なおかつ常識の範囲内であることなどの税法上の細かな制約があります。
法定福利厚生費は、法律で定められていますが、法定外福利厚生費は、企業が任意で行うため、明確に定められていません。そのため、給与や交際費とみなされるケースもあるため給与とみなされないように企業は、配慮する必要があります。
また、福利厚生費として認められるためには、
・支出の目的:従業員の福利厚生のための支出であること
・支出の金額:社会通念上の相当性、税法規定範囲内であること
・一定の支出基準:社会規定や税法基準をみたしていること
・支出対象者:特定の者に限定されていないこと
しかし、福利厚生費と認められないケースもあります。一例として、一定の要件を満たさない慰安旅行や研修旅行を福利厚生費として導入するケースなどがあります。
この場合、従業員に対して給与を支給したことになるため、従業員に所得税が課税されてしまいますので、本末転倒にならないよう、注意をする必要があります。
まとめ
1、福利厚生には、法定福利厚生費と法定外福利厚生費がある。法定福利厚生費は、法律で決められているもの。法定外福利厚生費は、会社独自で導入しているものです。
2、福利厚生の充実は、従業員の離職を防止や勤労意欲を向上させる効果や企業ブランドのイメージアップなど企業にとって効果的な施策です。また、より優秀な人材を獲得出来る。
3、福利厚生費は、一定の要件を満たさないものは、給与として支払われたことになるため、気を付ける必要があります。