お知らせ|2021年03月19日
初心者でもわかる公的年金制度
キャリアコンサルタントとして、キャリア設計をするうえで年金の知識は避けては通れません。
そこで、初心者でもわかる公的年金制度についての基礎知識をキャリアコンサルタントMICHIKOと愛猫のR君と一緒に解説します。
年金の基礎知識
①国民年金と厚生年金の違い
キャリアコンサルタントMICHIKO(以下 MICHIKO)
「ねえ、R君。年金には、国民年金と厚生年金の2種類あるんだけど、R君知ってた?」
R君 「知らない!僕には関係ないから。でも、その違いって何?」
MICHIKO 「日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人は、原則全員が国民年金
に加入することになっているんだよ。また、会社員や公務員の方は、国民 年金に上乗せで、厚生年金にも加入るんだよ!」
R君 「じゃ、自営業の人や働いていない人は、国民年金だけなの?」
MICHIKO 「そうなの。またこの国民年金も働き方によって3種類にわけられているんだ
よ!
まず、第1号被保険者とは、国民年金保険料を支払って国民年金に加入
している人達。20歳以上60歳未満の自営業者や農業者とその家族、学生、
無職の人などかな。
2021年度の国民年金の保険料は、1ヶ月あたり16,610円だよ。
そして、第2号被保険者は、会社員や公務員などの厚生年金に加入している
人達。
ちなみに、厚生年金って、勤務先からの給与や賞与から金額に応じて一定
の割合が差し引かれるというかたちで厚生年金を支払うことで、厚生年金
と国民年金の両方に加入することになるんだよ。この厚生年金の保険料は
事業主との折半になっているんだよ。
そして、第3号被保険者は、厚生年金
に加入している人に扶養されている配偶者のことだよ。
この第3号被保険者は、保険料の負担をすることなく、国民年金からの給付
を受けられるんだよ。」
R君 「へぇー!じゃ、保険料を支払ってその後はどうなるの?」
MICHIKO 「まず、国民年金は20歳から60歳までの40年加入して保険料を収めると65歳
から老齢基礎年金を受け取ることができるんだよ。公的な年金だから終身
年金って言ってなくなるまで定額を受給できるんだよ! ちなみに、2020
年の4月からの老齢基礎年金額は、満額で1年間に78万1700円受け取ること
ができるんだよ。しかし、年金額は加入年数によって決まってくるから、
加入年数が半分の20年間だった人は、その金額の半分の39万850円とにな
るんだよ。
ただし、残念な事に加入期間が60歳の時点で10年に満たない人は年金を受
給できないんだよ。そのため、60歳になっても国民年金に任意加入するこ
とで受給資格を得ることができるんだよ。R君もしっかり年金納めないと受
給できないよ」
R君 「わかった。でも、厚生年金はどうなの?同じ条件なの?」
MICHIKO 「違うの? また、厚生年金は厚生年金で別の条件があるの?
厚生年金は、老齢厚生年金と老齢基礎年金があって、2階建ての年金制度な
の。老齢基礎年金の加入期間が10年以上あり、厚生年金の加入期間が1ヶ月
以上が必要なの。」
R君 「厚生年金の加入期間って1ヶ月で大丈夫なの?」
MICHIKO 「そうなの。厚生年金の加入期間はね。
ただし、厚生年金は、老齢厚生年金と言って、老齢基礎年金に上乗せする
かたちで65歳から受給できる年金なんだよ。老齢厚生年金の受給額は、厚
生年金の加入期間中に納めた保険料額と加入月数に応じて決まっているん
だよ。
例えば、20歳から10年間会社員として働いて、その後は専業主婦で夫の扶
養者として60歳を迎えた場合は、満額の老齢基礎年金と10年間納めた厚生
年金の保険料に応じた老齢基礎年金を受給するようになるんだよ!」
R君 「へぇ、人間って大変だね。でも、例外ってないの? みんな60歳や65歳
で年金ってもらってるの?」
MICHIKO 「さすが、R君。いい質問だね。
実は、65歳より前に厚生年金をもらえる人がいるんだよ。
1953年4月1日以前に生まれた男性や1958年4月1日以前に生まれた女性は、
60歳から報酬比例部分って言って、現役時代の厚生年金の加入期間と報酬
に比例して受給できる老齢厚生年金を受給しはじめ、65歳から老齢厚生年
金と老齢基礎年金を受給することができるんだよ。
それ以降に生まれた人には、受給開始年齢が段階的に上昇し、1961年4月2
日以降に生まれた男性、1966年4月2日以降に生まれた女性は、年金の受
け取りは65歳以降になってしまうんだよ。
その他にも、厚生年金に20年以上加入した人が老齢厚生年金を受給し始め
た時に、65歳未満の配偶者や18歳到達年度末日までの子供と生計を共にし
ている場合は、年金額が上乗せされる制度があるんだよ。
これを加給年金といって、年金の家族手当っていう感じかな?
しかし、この加給年金も配偶者が65歳以上になったり、子供が18歳を超える
と停止されるんだよ。
ただし、配偶者の生年月日が1966年4月1日以前の場合には、加給年金と入れ
替わりで配偶者のれいれい基礎年金に振替で加算されるんだよ。」
R君 「なるほどね。生年月日や性別、家族構成によって年金のルールがさまざ
あるんだね。でもさぁ、自分が将来、どれくらいの年金額が入ってくるの
かってわかるの? 是非、知っておきたいよね。だって、知っておかない
と今後の生活設計ができないでしょ?」
MICHIKO 「さすが、R君だね。賢い!
そうだよね。老後の生活設計をするには、年金額を知りたいよね。 実は、将来の年金額を知るには、2通りの方法があるんだよ。
一つは、毎年誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」。
この「ねんきん定期便」には、年金の加入記録やこれまでの保険料納付
額、年金見込み額がかかれてるんだよ。また、年齢によって書かれている
内容が違っていてね。50歳以上の人には、60歳まで今の条件で年金に加入 した場合の将来の年金見込み額が、50歳未満の人には、これまでの加入実 績に基づく年金見込み額がかかれているんだよ。
また、もう一つの調べ方として、「ねんきんネット」という日本年金機構
作成しているウェブサイトからもみることができるんだよ。
「ねんきんネット」では、17桁のユーザーIDを取得して調べる方法とマイ
ナーポータルとの連携の2種類があるんだけどね、ユーザーIDは、「ねんき
ん定期便」に書かれている17桁のアクセスキーを使うと、ユーザーIDはす
ぐに取得できるよ。
「ねんきんネット」では、マイナンバーカードを使ってマイナーポータル
にログインすると年金記録を確認することもできるから、どちらか使いや
すいほうで一度確認してみるといいよ。」
R君 「わかった。皆さんも一度、確認してみてくださいね。」