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シニアビジネスマン

お知らせ|2021年05月25日

続 職場にいる老害社員への対策を考える

シニア人材が職場に増えてきつつあります。

少し前までは、まだ先のことだと思っていましたが、日常になってきました。

そのため、シニアの方の職場でのあるある話をよく聞くようになりました。

そこで、シニア人材のあるあるを考えてみました。

 

 

職場にいるシニア社員のタイプ別の特徴

1.現役時代が忘れられないタイプ

 定年退職するまで、ワンキャリアで過ごしてきた方に多い傾向があるのが、現役時代のままの気持ちで再就職先や再雇用制度によって職場に戻ってきた方々です。

この方々の特徴としては、現役時代の役職や立場を引きずったままで新しい職場に入って決まます。

 そのため、新人ではあるものの現役時代の役職が抜けきれないため、新入社員管理職として仕事をしてしまいます。

 このタイプは、ワンキャリアの方に多いのが特徴です。

年功序列制度の恩恵を受けてきているため、長い年数をかけて管理職としての立ち居振るまいが身についてしまっています。

 管理する・マネジメントすることがず~っと仕事だったため、自ら行動する。作業するという習慣がなくなってしまっています。

 部下や後輩が動いてくれるのがあたり前になってしまっているのです。

あたり前の日常からの意識改革は、自然に出来るようになるとは限りません。

とすると、現役時代を引きずってしまうことも仕方がないのではないのでしょうか?

 

 

2.無気力タイプ

 現役時代を引きずっているタイプとは対象的に、一線を退いたという強い意識のもとで、

職場にはいるけれども、積極的に仕事を覚えようとか、周囲を見渡して忙しそうにしている人に対してフォローをしていこう行動を取らないタイプです。

いつも他人ごという冷めた行動をする方や、仕事に対しての熱意をまったく感じない無気力な方です。

 この方々は、現役時代が忘れらない方とは正反対の意識です。

「自分はもう第一線を退いた人間。立場も報酬もまったく違っているのに、一生懸命に働くことなんて出来ない。したくない。」という考えです。

 気持ちは何となく理解出来ますが、そうはいっても仕事をする限りは、無気力丸出しで仕事をされては、職場全体の士気が下がってしまいます。

 

 

3、人材育成に燃えるタイプ

 現役は退いたからこそ、後輩や元部下達の人材育成に燃えているタイプです。

自分がやらなけばという高い志をもって、自分のやってきたことを一生懸命に伝えていこうとする方々です。

 この方々の志は、立派なことですが、人材育成への熱意がありすぎる方には、困りものです。

 時代が変化しているため、従来の考えややり方が合わなくなってしまっている場合もあります。しかし、本人達には、自分がやってきた事、すなわち成功体験があります。

どうしてもその成功体験がわすれられない場合があります。

 人にとって、成功体験は自己肯定感を高めるために重要なことです。また、その成功体験が時代に合わなくなってしまっていることにもなかなか気付いていない場合があります。

そのため、悪気はなく自分の成功体験を後輩につたえることで社会貢献をしていこうとしているだけなんです。

 

 

職場にいるシニア社員を科学する

 このことは、加齢に伴う能力の低下があげられます。

以前にもお話しましたが、加齢によって低下する知能の低下等によって精神的にも変化が現れてきます。その一つとして、心の柔軟性の変化があるのではないでしょうか?

心の柔軟性としての知能(能力)は、加齢によって全てが低下するわけではありません。

加齢によって衰える能力と衰えない能力があります。

 

人の知能には、「流動性知能」と「結晶性知能」の2種類があります。

暗記能力や計算能力などに代表される経験の影響をうけることがない持って生まれた能力(地頭)に代表される「流動性知能」と、物事の判断力や知識や経験によって得られた能力は「結晶性知能」です。

 

知能の発達曲線

知能極性

健康ネット | 健康・体力アップ|健康・体力づくりのための知識|認知症を理解する (health-net.or.jp)

 

「え~っと、誰だっけ? 顔はわかるけど、名前が出てこない!」ってことありますよね。

 

これは流動性知能の特徴です。流動性知能では、25歳ピークに低下していきます。

暗記能力は、18歳がピークです。大学受験の時期ですよね。

この暗記能力の低下によって、名前が出てこないのです。

 

「情報処理能力」と「記憶力」のピークは18歳前後、名前を記憶する力はそれより少し遅く22〜23歳がピークとなり、その後落ちていきます。

 

また、67歳まで言語能力は発達していくため、この語彙力が豊富ということも、シニア人材の特徴です。しかし、年下上司や職場の同僚達には、この豊富な語彙力によってしっかり説明しようとすることに対して、話が長いと感じたり、指示命令に対して素直に対応していないと感じてしまいます。

加齢による感情の老化によって怒りっぽくなったり、やる気がなくなったりもしますので、本人達の責任とは言い切れません。

しかし、感情の老化や心の柔軟性も脳の前頭葉を鍛えれば大丈夫だそうです。

 

 加齢によって体力だけでなく、脳も衰えていきます。

しかし、図からもわかるように結晶性知能は、低下してくるといっても20代の頃と同じ位です。

 

また、問題の記憶力や情報処理能力は衰えては来ますが、流動性知能を鍛えるワーキングメモリー(脳の記憶力)を鍛えるトレーニング、いわゆる「脳トレ」をすることで衰えないようにすることが重要です。

 

実際にシニア社員が職場にいる場合に問題行動だと感じることも、実は、加齢による変化だと理解しておくことも必要です。

 

 

タイプ別対応方法

1、現役時代が忘れられないタイプ

この方々には、退職前の研修が有効だと考えます。

期待されている役割の違いを知ってもらう研修が必要です。

本人達にとっては、自分の行っていることが新しい職場のメンバーにどう映っているのかを自覚しにくいためです。

長い年月を経て、リーダーとしてマネージャーとしての役割を達成する為に努力してきています。それが、ある日突然、立場や役割を変更してくださいと言われても、今までに身に付けてきた役割を達成するための行動をすぐには変化出来ません。

研修も一度だけではなく、何度も行うことで意識改革を行ってください。

 

2、無気力タイプ

このタイプの方々は、定年退職や役職定年などによっての喪失意識が強くあります。

今まで頑張ってきたのに、年齢というだけで、自分自身ではまだまだ頑張れるのに

などの想いが強く残っています。

そういった想いを理解することから始まり、新しい職場での期待していう新しい役割を伝えていく必要があります。

そうすることで、自分は承認されているという安心感からモチベーションもアップ摺るのではないでしょうか?

 

 

3.人材育成に燃えるタイプ

このタイプの方は、自分がやらないとという使命感をもって人材育成に燃えています。

自分が培ってきたノウハウを残していかないといけないという想いや会社や職場の将来を考え、自分が頑張らないとという使命感です。また、その使命感によって、社会貢献を行っているという実感も持っています。

しかしながら、時代が変化しているため過去の成功体験等が通用するとは限りません。

人材育成に燃えるタイプの方には、自分で考えることで人は成長していくこと、教えるのではなく見守るという指導法を伝えていくことが必要です。

いかにじっと我慢して見守ることが出来るのか?

コーチングやフィードバックの仕方などの人材育成の手法を身に付けてもらうことで解決していくのでは無いでしょうか?

 

 

まとめ

シニア人材を職場の老害社員にしないためには、定年退職準備としての研修が重要になってきます。

今までの豊富な経験を次世代に繋いでいくためには、その方々のスキルやノウハウを上手に活用していくしかありません。

そのためにも、定年が近づいてくればこそ、定年後の働き方についての研修が必要になってきます。

人生100年時代には、新入社員や管理職研修だけでなく、定年前の方への研修も重要になってきます。職場の生産性をあげるためにも、シニア人材の研修は絶対に必要です。

 

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