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お知らせ|2021年02月06日

職場にいる老害社員への対策を考える3つの要素

定年延長に伴って企業では新たな課題が出現してきました。

一つは、シニア人材にどのように活躍してもらうか?

もう一つは、シニア人材がどんな影響を職場に与えるのか?

この2点ではないでしょうか?

今回は、職場にいる老害社員への対策を考える3つの要素をお伝えしたいと思います。

 

この問題を考える上で、参考になる「年齢による心身の変化」についての学問があります。

老齢学」または「老年学」という学問です。

別名「ジェロントロジー」と呼ばれています。

このジェロントロジーという言葉は、医療・福祉分野では良く知られています。

 

この老齢学(ジェロントロジー)を産業界すなわち職場で活用していこうとする考えが、産業ジェロントロジーと呼ばれる考えです。

この産業ジェロントロジーの視点から、シニア人材の特徴と課題を解決していく方法をご紹介していきたいと思います。

 

1.職場にいるシニア人材あるある

 定年退職後、再雇用として職場に残ったシニア人材の特徴として、今までの地位や役職をリセット出来なくて、いつまでも部長や課長などの意識の方がいらっしゃいます。

再雇用され、立場も正社員という立場ではなく非常勤だったり、契約社員だったりと働き方も変化しています。

 しかし、どうしても今までの自分の立場や役割が忘れられず、管理職気分。

スタッフの1人としての仕事をすることが出来ません。今までは、誰かがやってくれていた事が、立場が変われば自分でしないといけなくなります。

 当然、現在の自分には部下はいなくなり、その代わりに年下の上司の元で働かなければなりません。

 

そんな状態の中での仕事ぶりは、

・年下上司を受け入れていない

・立場が変化したことでやる気を失っている

・いろいろと文句ばかりで行動しない

・お話しを始めるとなかなか終わらない。話が長い。

・親父ギャグを連発されるけど、面白くない

職場内でのあるあるではないでしょうか?

 

定年後、職場に残らなかった方々にお話しをお伺いすると

こんなあるある上司で苦労したので、自分はそんな想いを後輩にさせたくないという言葉を何人もの方から聞きました。

苦労されたんだなぁって。

 

定年延長に伴い、職場内ではこんな言葉がささやかれています。

ああはなりたくない」って

こんな言葉を自分に対して言われているって思うと悲しくなりますよね。

 

では、どうしてそんな言葉がささやかれる状態になってしまっているのでしょうか?

彼・彼女らも現役時代には、一生懸命働いていたはずなのに。

 

2.なぜ、そうなっているのかを科学する

 このことは、加齢に伴う能力の低下があげられます。

しかし、全ての能力が加齢によって低下するわけではありません

加齢によって衰える能力と衰えない能力があります。これは、人間の知能に関連しています。

 

人の知能には、「流動性知能」と「結晶性知能」の2種類があります。

暗記能力や計算能力などに代表される経験の影響をうけることがない持って生まれた能力(地頭)に代表される「流動性知能」と、物事の判断力や知識や経験によって得られた能力は「結晶性知能」です。

 

知能の発達曲線

知能極性

健康ネット | 健康・体力アップ|健康・体力づくりのための知識|認知症を理解する (health-net.or.jp)

 

「え~っと、誰だっけ? 顔はわかるけど、名前が出てこない!」ってことありますよね。

 

これは流動性知能の特徴です。流動性知能では、25歳ピークに低下していきます。

暗記能力は、18歳がピークです。大学受験の時期ですよね。

この暗記能力の低下によって、名前が出てこないのです。

 

「情報処理能力」と「記憶力」のピークは18歳前後、名前を記憶する力はそれより少し遅く22〜23歳がピークとなり、その後落ちていきます。

 

でも、名前が出てこない割には、顔はわかっっています。

それは、顔の認識などの能力は、結晶性知能と言われる部分で行われているからです。

感情を読み取ったり能力は、50歳。語彙力は、67歳まで発達していくと言われています。

 

こんな理由から、名前は記憶力は低下しているけど、認知能力は衰えていないから名前はわからないけど、顔は覚えているという事になります。

 

また、話が長かったり、親父ギャグを言ったりするのは、67歳まで言語能力は発達していくため、語彙力が豊富なためにしっかり説明しようとするために話が長くなってしまいます。

 

また、加齢による感情の老化によって怒りっぽくなったり、やる気がなくなったりもあるかもしれません。

 

この感情の老化も脳の前頭葉を鍛えれば大丈夫だそうです。

 

3.科学的視点から解決策を考える

 加齢によって体力だけでなく、脳も衰えていきます。

しかし、図からもわかるように結晶性知能は、低下してくるといっても20代の頃と同じ位です。

 

また、問題の記憶力や情報処理能力は衰えては来ますが、流動性知能を鍛えるワーキングメモリー(脳の記憶力)を鍛えるトレーニング、いわゆる「脳トレ」をすることで衰えないようにすることが重要です。

 

 また、人と会って話をしたり、読書をしたり、緑黄色野菜に含まれているルテインなどをとることによっても効果があります。

 

 ああはなりたくない!って思っている方は、いまから対策をとって見てください。

 

また、実際に職場にいる場合には、お話しが長いのは、語彙力が蓄積されているんだな。とか、年齢を重ねても判断力や折衝力は衰えいないので、強みを発揮できる仕事を割り振りすると上手くまわっていくのではないでしょうか?

 

但し、経験があるからといって創造力は衰えてきているので、新規事業や開発などの分野では活躍を期待できないので、何が出来て何は苦手なのかを充分に把握したうえで、業務分担していくとシニア人材もまだまだ活躍してもらえそうです。

 

まとめ

1.シニア人材に活躍してもらうためには、加齢による特性を理解した上で業務分担していく。

2.高齢になっても伸びる能力もあるので、その能力を活かした仕事をしてもらう。

3.老害社員にならないためには、脳トレを実施し加齢による記憶力や情報処理力の低下を抑えていく。

4.高齢になると話が長かったり、親父ギャグをいうのは、語彙力が蓄積さえているからだと自覚してもらうことで、スムーズな会話をしてもらう。

5.「ああはなりたくない」には、40代の内から流動性知能を意識的に鍛えていくことが必要性を認識し、実践していく。

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